幕営ばくえい)” の例文
砲弾ほうだんにて破損せる古き穀倉の内部、からくも全滅ぜんめつまぬかれしバナナン軍団、マルトン原の臨時幕営ばくえい
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
一しきり休むとまた馬にまたがり、がむしゃらにけ出す。終日乗り疲れ黄雲こううん落暉らっきくんずるころになってようやく彼は幕営ばくえいに戻る。疲労だけが彼のただ一つの救いなのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
と、見たので、信長の旗下は、信長の幕営ばくえいを出て、みな川岸へ、槍を揃えていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近習の一名にさしまねかれて、宗矩は、何事かと急いで、家康の幕営ばくえいへ駈けて行った。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)