常夜燈じょうやとう)” の例文
新字:常夜灯
暗いといっても、庭には、ところどころに、公園の常夜燈じょうやとうのような、電燈がついているので、人の姿が見えぬほどではありません。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
林太郎が私に真実しんじつを語らなかったら、私にはいつまでも常夜燈じょうやとうの下のかくされた花の思いは楽しいものであったかどうか、それはわからない。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
すべて黒い、ただ一つ灯のはいった常夜燈じょうやとうがある。地面に座って三味線を弾き銭を行人に乞うている老婆がある。カンテラが傍に置かれてある。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
そういう家の前を離れると、すぐ傍が黒い蔵であったり、木口のよい板塀であったりして、天水桶てんすいおけや、金網をかけた常夜燈じょうやとうともっていたように覚えている。
その時、何気なく、ひょいと向うを見ると、常夜燈じょうやとうのぼんやりした明りで、観音様の御顔が見えました。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
落葉もせず、常夜燈じょうやとうの光かすかに、ふくろう。二度ばかり鳴く。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私が例のように常夜燈じょうやとうの下をすみからすみまでさがしまわっていると、いつのまにきたのか林太郎が常夜燈じょうやとう石段いしだんにもたれてとうもろこしをたべていた。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
薄ボンヤリした常夜燈じょうやとうを便りに廊下ろうか一曲ひとまがりすると、そこに福田氏の寝室なり書斎なりのドアがある。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
たびたび常夜燈じょうやとうの下の広くもない地びたをにうかべた。そのどこかに、ツルがつくったところのこの世のものならぬ美しさをひめた花のパノラマがあることを思った。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
男はキョロキョロと四辺あたりを見廻してから、一枚の紙片を遠くの常夜燈じょうやとうすかして見せた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)