帰来かえり)” の例文
旧字:歸來
われ今日かの木賊とくさヶ原はらに行き、路傍みちのほとりなる松の幹の、よき処に坐をしめて、黄金丸が帰来かえりを待ちけるが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
過ぐる日の喀血かっけつに、一たびは気落ちしが、幸いにして医師いしゃの言えるがごとくそのあとに著しき衰弱もなく、先日函館はこだてよりの良人おっと書信てがみにも帰来かえりの近かるべきを知らせ来つれば
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
アンドレイ、エヒミチは帰来かえり早々そうそうまずその住居すまいたずねねばならぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)