旧字:歸命頂禮
帰命頂礼きみょうちょうらいさいころ明神の兀天窓はげあたま、光る光る、と追従ついしょう云うて、あか柄杓へまた一杯、煽るほどに飲むほどに、櫓拍子ろびょうしが乱になって、船はぐらぐら大揺れ小揺れじゃ、こりゃならぬ、賽がすわらぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「神妙、神妙、一心に帰命頂礼きみょうちょうらいすれば、後生往生ごしょうおうじょううたがいあるべからず」
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
帰命頂礼きみょうちょうらい熊野三所くまのさんしょ権現ごんげん、分けては日吉山王ひよしさんおう王子おうじ眷属けんぞく、総じてはかみ梵天帝釈ぼんてんたいしゃくしも堅牢地神けんろうじしん、殊には内海外海ないかいげかい竜神八部りゅうじんはちぶ応護おうごまなじりを垂れさせ給えととなえたから、そのあとへ並びに西風大明神にしかぜだいみょうじん
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
だがまアいいや、遅いにしても帰命頂礼きみょうちょうらい——
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)