布告ふれ)” の例文
それで、お姫さまの命をすくってくれるものがあったら、おひめさまのおむこさんにして、王さまの後継あとつぎにする、というお布告ふれをだしたものです。
近処へ布告ふれむ下心、家並に声をかけ行くも、かかるところの習ひかと、人力車の上なる人の身は、土用の天にも粟立ちし、身の寒さをも覚えしなるべし。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
勿論それは公式のものではないが、当局の達示によって自警団員が夜間婦人の外出を禁ずる旨を布告ふれてまわった。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
おそかれ早かれここら辺りを徘徊するに相違ないから、怪しい者の目付かり次第届け出るようにと布告ふれの廻ったはつい今日の昼のこと、したがってこの辺一円は同心目明しの巣のようなものだ。
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それはそうと、この衞の国では、何かというとお上からお布告ふれが出て、そのたんびに、木鐸ぼくたくという変な鈴をがらがら鳴らしてあるきますが、まさか魯の国ではそんな馬鹿馬鹿しい真似はなさるまいな。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
という、お布告ふれを出しました。
シンデレラ (新字新仮名) / 水谷まさる(著)
昔、江戸市中のお布告ふれだの掟書おきてがきなぞいうものは、みんな人民にわかり易い文句ばかりで書いてあった。
年はみんな十七か八ぐれえの水の出花でばなってえ奴でしたが、最初っからの固いお布告ふれで、そんな女たちに指一本でも指したら最後のすけ、お給金が貰えねえばかりでなく
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もしその濃紅姫とやらを后にたいと思うならば、最前さっき国中に布告ふれさした通りに、今日から一週間ののちに、国々の女と一所に宮中へ差し出せ。もし気に入ったら后にしてやる。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
今までこの湖のふちをぐるりと布告ふれてまわったが、まだ二人のような勇ましい青年わかもの少女むすめは一人も居なかったと千切ちぎりましたが、とにかくそれでは今から直ぐに支度をして
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
国中の人間はこのお布告ふれを見ると大騒ぎをして、お祝いの支度を始めました。
犬の王様 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それからも一ツは国中に布告ふれを出して
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)