川畔かわばた)” の例文
火をく、味噌みそる、魚鳥ぎょちょうを料理する、男世帯おとこじょたいの目つらをつかむ勝手元の忙しさを傍目よそめに、関翁はじめ余等一同、かわる/″\川畔かわばたに往って風呂の馳走ちそうになる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
尚牛馬の多く群れたるを遥に見つつ河をわたる。(斗満川)。川畔かわばたに牛馬の脚痕あしあとの多きを見る。あらたに柵を以て囲めるを見たり。ここに至りて尚うれし。進んで少し登りてくに、樹間に小屋を見る。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
秋の日は用捨なくかたむいた。今夜は宇治ときめたので、余等は山を下ると、川畔かわばたの宿にもいこわず、車を雇うた。二人乗ににんのりが二台。最早上方でなければ滅多に二人乗は見られぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)