島台しまだい)” の例文
旧字:島臺
五丈ほどありまして、これは中へ入るのではなく、島台しまだいが割れると、小人島の人形が出て踊るというような趣向でした。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
島台しまだい、紅白の縮緬ちりめん柳樽やなぎだる、座敷は彼女の祝い物で一杯だった。家族たちは、毎晩のように、せわしげに、夜をかした。
下頭橋由来 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうしてその痕跡は必ずしも書物を探さずとも、正月の喰積くいつみや婚礼の島台しまだいの上に、まだかすかに残っている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ぎょっとして、それから二人こわごわ這い出し、襖をそっとあけてみると、祝い物の島台しまだいに飾られてある伊勢海老えびが、まだ生きていて、大きなひげをゆるくうごかしていたのである。
花燭 (新字新仮名) / 太宰治(著)