山稜リッジ)” の例文
しかし氷河を欠いた日本アルプスには、それほど雪の働きを示さないから、岩石は鋭い山稜リッジや、尖ったピークとなって、粗硬な形態を示している。
高山の雪 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
グロース・シュレックホルン(四〇八〇米突メートル——一三三八六フィート)、下部及び上部グリンデルワルトの氷河を境する山稜リッジの最高点。アルプス諸山の山頂のうち、最、壮大なる、最も危嶮なる山容を有す。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
我らは吹き込む風の中心になったようで、その冷たさと、痛さとにふるえながらも、山稜リッジを伝わって行く。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
鋭いのみ穿りぬいたように、大曲りにねった山稜リッジを、連鎖にして、その果に突立っている、仰ぐと、西の天は雲が三万尺も高く、うずたかくなって、その隙間には湖水のように澄徹した碧空が
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
それでも殆んど草原を埋めるばかりに群って、白山一華はくさんいちげや、チングルマなどと交って、岩穴や山稜リッジの破れ目に、咲いている、しわのあるところに白い花がある、ひだの折れたところに白い花がある
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)