居堪いたた)” の例文
近所の窓が明いたり、奥の父や母にまで聞えるような大声を出されては、処女おとめごころは、本意なくても、居堪いたたまれるわけはなかった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
健三の心は紙屑かみくずを丸めたようにくしゃくしゃした。時によると肝癪かんしゃくの電流を何かの機会に応じてほからさなければ苦しくって居堪いたたまれなくなった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
美奈子が、居堪いたたまれなくなって逃げ出したときの後姿を、母が気付いたに違いないと云うことだった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
苦虫にがむしつぶしても居堪いたたまれないだろう。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
喜左衛門はもう居堪いたたまらないで
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)