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就中
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わけても
ふりがな文庫
“
就中
(
わけても
)” の例文
就中
(
わけても
)
、
脆
(
もろ
)
いのは
銀杏
(
いてふ
)
で、
梢
(
こずゑ
)
には
最早
(
もう
)
一葉
(
ひとは
)
の黄もとゞめない。丁度其
霜葉
(
しもば
)
の舞ひ落ちる
光景
(
ありさま
)
を眺め乍ら、廊下の古壁に
倚凭
(
よりかゝ
)
つて立つて居るのは、お志保であつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
就中
(
わけても
)
、銀之助は
克
(
よ
)
く笑つて、其高い声が台所迄も響くので、奥様は若い人達の話を聞かずに居られなかつた。
終
(
しまひ
)
にはお志保までも来て、奥様の傍に
倚添
(
よりそ
)
ひ乍ら聞いた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
御親類の御女中方は、いずれも
質素
(
じみ
)
な御方ばかりですから、
就中
(
わけても
)
奥様御一人が目立ちました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あの釣と昼寝と酒より外には働く気のない老朽な父親、泣く
喧嘩
(
けんくわ
)
する多くの子供、
就中
(
わけても
)
継母——まあ、あの家へ帰つて行つたとしたところで、果して
是
(
これ
)
から
将来
(
さき
)
奈何
(
どう
)
なるだらう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
就中
(
わけても
)
、まだ小娘のように思われていた人達が遽かに姉さんらしく成って来たには驚かされる。そういう人達の中には
大伝馬町
(
おおてんまちょう
)
の大勝の娘、それから
竈河岸
(
へっついがし
)
の
樽屋
(
たるや
)
の娘なぞを数えることが出来る。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
全く御召物は奥様の御身の内と言ってもよいのですから。私も御側へ寄添いまして見せて頂きました。どれを拝見しても目うつりのする
衣類
(
もの
)
ばかり。
就中
(
わけても
)
、私の気に入りましたのは長襦袢です。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
就中
(
わけても
)
、まだ小娘のように思われていた人達が遽かに姉さんらしく成って来たには驚かされる。そういう人達の中には、
大伝馬町
(
おおてんまちょう
)
の
大勝
(
だいかつ
)
の娘、それからへ
竃河岸
(
へっついがし
)
の
樽屋
(
たるや
)
の娘なぞを数えることが出来る。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
就
常用漢字
小6
部首:⼪
12画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“就中”で始まる語句
就中断腸是秋天