小品しょうひん)” の例文
今までも中途で切った方が、はるかに好かったと思いますが、——とにかくこの小品しょうひんは貰いますから、そのつもりでいて下さい。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ある時彼は二年級の生徒に、やはり航海のことを書いた、何とか云う小品しょうひんを教えていた。それは恐るべき悪文だった。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
多加志たかしはやっと死なずにすんだ。自分は彼の小康を得た時、入院前後の消息を小品しょうひんにしたいと思ったことがある。
子供の病気:一游亭に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この数篇の小品しょうひんは一本の巻煙草の煙となる間に、続々と保吉の心をかすめた追憶の二三を記したものである。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それはどこかの庭をえがいた六号ばかりの小品しょうひんだった。白茶しらちゃけたこけおおわれた木々と木末こずえに咲いた藤の花と木々の間にほのめいた池と、——画面にはそのほかに何もなかった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
編輯者 ロマンティクな所はいようです。とにかくその小品しょうひんを貰う事にしましょう。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
小説家 これはどうですか? まあ、体裁の上では小品しょうひんですが、——
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)