射出うちだ)” の例文
「五貫目玉を、五十丁の先まで射出うちだして、的の黒星を打ち抜く火薬は、日本広しといえども、作り手はたった一人しか無い、それは——稲富——」
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
水を飲みに行つたと噂をされた位、美事な彫物であつたが、之も歩兵が射出うちだした鉄砲の為に、焼かれてしまつた、其れから中堂、此の中堂は金がかかつて居た、欄干は総朱塗で、橋があつて之を天馬ばし
下谷練塀小路 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
こりゃ此處こゝに四十りゃうある、わし毒藥どくやくを一もんめほどってくりゃれ、すぐ血管けっくわん行渡ゆきわたって饜果あきはてた飮主のみぬし立地たちどころなすやうな、また射出うちだされた焔硝えんせうおそろしい大砲たいはう胴中どうなかからはげしうきふはしるやうに