“寝床(とこ)” の例文
旧字:寢床
「なにしろお前さん、十年も寝床(とこ)を敷き詰めに敷いてあった人が、浜の方まで働きに行こうという元気だからねえ」
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と、呟(つぶや)くかのような眼をして、衣服を着、帯をしめた後も、寝床(とこ)をたたんで、しばらくは一室の中に坐っていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「奥さん。面談したいことがあるから、起きて、寝床(とこ)から出てもらえないかね」
狂女 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
住持から受けて来たらしい餞別(せんべつ)の笠、草鞋(わらじ)など、旅装の具(もの)を枕べにおき、短檠(たんけい)の灯を消して、寝床(とこ)についた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
未だ夜の明けない中に、実は寝床(とこ)を離れた。つづいてお倉やお俊が起きた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
表の戸はまだ閉まっていたが、豆腐屋儀助の夫婦は、もう寝床(とこ)を離れていた。豆の挽臼(ひきうす)のそばへ、儀助は燈火(あかり)をかかげて、女房は土間の中の井戸水を寒々と汲(く)んでいた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「女房、おれたちは、奥へ寝よう。ここの夜具を客人にあげて、奥へ寝床(とこ)を敷いてくれ」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その夕、寝床(とこ)につくなり登子へ悪寒(さむけ)を訴えて、子供のように彼女の腕(かいな)にしがみついた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、当惑しながら、そっと去って、ふたたび自分の寝床(とこ)のうえに坐りこんだ。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あら恐い目。ま、着物を脱いで、寝床(とこ)へお横になりなさいよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寝床(とこ)についてから間もなく
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「寝床(とこ)を敷きに来たのか」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)