寄竹派きちくは)” の例文
京都寄竹派きちくは普化宗ふけしゅう明暗寺に行って虚無僧こむそうの入宗許可を受け、重蔵も千浪も同じような鼠甲斐絹ねずみかいきに丸ぐけ帯、天蓋尺八という姿になった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹管ちくかんをもって托鉢たくはつする者は、誰でも宿泊できるが、弦之丞は京都寄竹派きちくはの本則をうけているので、この寺とはまったくの派違いだ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うむ……法月弦之丞……寄竹派きちくはの者でござるが、都合によってお泊め申してある。どういう御用向きでござりますな」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしは山科やましなの僧院にいる寄竹派きちくは普化僧ふけそうです。同じ僧院に、法月弦之丞のりづきげんのじょうというものが近頃まいっておる。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あの歌口は宗長流そうちょうりゅう、京都寄竹派きちくは一節切ひとよぎりじゃ、吹き手はさだめし虚無僧こむそうであろう」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)