客殿きゃくでん)” の例文
と、俄な申し入れにうろたえはしたが、しかし寺中をあげて、尊氏や直義ただよし以下のために、客殿きゃくでんげ、この不時の珍客たちのいこいに供えた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
社家の客殿きゃくでんである。迎えは義貞からやったので、あすの打合せかたがた、こよいの兵食を共にしようということだった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば、洞院とういん殿のおん弟、実夏卿さねなつきょうとうかがいました。とりあえず、客殿きゃくでんにて、しばしおくつろぎをねがい、龍泉さま(正季まさすえ)へも即刻お告げ申しておく一方、かくはお出先へまで」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まず出迎えにみえたのは、執事のこう師直もろなおだった。下へもおかず、客殿きゃくでんにみちびく。
と、客殿きゃくでんにあらわれるやいな、まず言って、楊雄と石秀を安心させた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もなく、清掃せいそうした社家しゃけ客殿きゃくでんへ、錦繍きんしゅうのしとねがおかれた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御丁重ごていちょうに、客殿きゃくでんへ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)