官符かんぷ)” の例文
すると、突として、朝廷から、官符かんぷをもって“将門追捕ノ令”が関東諸国へたいして、発せられた。その内容は
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
都へは使者がせ、各州には官符かんぷが飛び、梁山泊りょうざんぱくの名はいまや、全土へ震撼しんかんしているにちがいない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
官符かんぷをいただき、ご朱印船しゅいんぶねと公称して、あちらの国からさまざまな物を交易して帰り、その一部を、内裏の后町きさきまちさばいたあとを、いちにも出して、巨利をせしめながら、後宮の女たちからは
「——通ること相ならん。官符かんぷを持ちおるかっ」老公は牛車くるまうちから
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)