守衛しゅえい)” の例文
丁度本多子爵ほんだししゃくがここまで語り続けた時、我々はいつか側へ来た守衛しゅえいの口から、閉館の時刻がすでに迫っていると云う事を伝えられた。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
このさわぎに、銀行にきていた男の人たちや、銀行の守衛しゅえいさんが、店員のあとを追って外へとびだしましたが、もう、そのへんには、かげもかたちもありません。
鉄人Q (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
けれどもまたなん矛盾むじゅんもなしに多少の享楽をも感じていた。もっとも守衛しゅえいや観覧人に時々一瞥いちべつを与えられるのは勿論彼女にも不快だった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
守衛しゅえいが二人ずつ一組になって、大きな懐中かいちゅう電灯をてらしながら、たえずデパートの中を、見まわっています。いま、ちょうど、二人づれの守衛が、洋服売り場へやってきました。
怪人と少年探偵 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それを発見した夜警中の守衛しゅえいは単身彼等を逮捕たいほしようとした。ところがはげしい格闘かくとうの末、あべこべに海へほうりこまれた。守衛はねずみになりながら、やっと岸へい上った。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)