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妖姫
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ようき
緑
滴るばかりの森影に、この
妖姫の住める美しの池は
漣を立てて、
寂として声なき自然の万象をこの
鏡中に映じている。
則天武后だの
呂后だの、
褒似だの
妲妃だのというような、女傑や
妖姫の歴史を見れば、すぐ頷かれることだからね。
ダミアンティやシャクンタラのような
妖姫がサーヴするかと思わせるのもおもしろい。
稜錐塔の空を
燬く所、
獅身女の砂を抱く所、
長河の
鰐魚を蔵する所、二千年の昔
妖姫クレオパトラの
安図尼と相擁して、
駝鳥の
翣箑に軽く
玉肌を払える所、は好画題であるまた好詩料である。