如彼あんな)” の例文
しかしこの感謝状のために、血のある奴らが如彼あんなに騒ぐ。殺せの、撲れのといふ気組きぐみだ。うむ、やつぱり取つて置くか。引裂ひっさいて踏むだらどうだ。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『大きにお世話だよ。』とお大は憤々ぶり/\して、『お氣毒きのどくさまだが、松公は此方こつちが見切をつけて縁を切つたんだよ。如彼あんなひよつとこの一人や二人、欲しけりや何時いつでも貴方あなたに上げますよ。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
回想おもいだして「水の世話にさえならなきゃ如彼あんな奴に口なんかかしや仕ないんだけど、房州の田舎者奴いなかものめが、可愛がって頂だきゃ可い気になりゃアがってどうだろうあの図々ずうずうしい案梅あんばいは」とお徳の先刻さっきの言葉を
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)