“奪(ど)” の例文
横奪(ど)りし、一緒になって十七八年逃げ廻り、あの娘まで生ませたが、五年前肝心の恋女房に死に別れてしまったそうで——
考えてみると、自分では、大した仕事とも、月日とも、思えずに来たが、この足掛け四年に、強盗斬り奪(ど)りの件数九十七ヵ所。金高一万両をこえている。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お紺と敬吉は、主人の官兵衞を殺して、その罪をお玉に背負はせ、そつくり久米野の家を横奪(ど)りしようとしたのさ。お國は神山守に惚れて、お玉憎さにちよいと手傳つたのだらう。
四隣の晋(しん)も楚(そ)も斉(せい)もいちどに起って、呉の領土を分け奪(ど)りにし、呉はついに亡んだ。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
美濃を分(わ)け奪(ど)りにしようじゃないか。こっちからも物資兵力をいくらでも貸すから。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)