ほとばし)” の例文
と、突然、まったく突然、その家の洗面所と思われる方にすさまじい水道のほとばしる音が、あたりの静けさと、欹てた耳とに、数十倍に拡大されて、とどろきわたった。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
全体の感じは、岩だとか、熊だとかいう言葉を想わせるのですが、またいつも柔和なものが感ぜられるのです。人は友に対してはほとばしる熱情よりも、潜む静かな力を感ずるのです。
わが師への書 (新字新仮名) / 小山清(著)
海岸には、思い立ったように、葭簀張よしずばりのサンマアハウスだの、遊戯場だの、脱衣場だのが、どんどん建てられ、横文字の看板がかけられ、そして、シャワーの音がほとばしる——。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)