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夾雑物
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きょうざつぶつ
ふりがな文庫
“
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)” の例文
真理は断じて
或
(
あ
)
る教義教条の独占物ではない。むろん
何
(
いず
)
れの教義にも真理の種子はある。が、
何
(
いず
)
れの教義にも
誤謬
(
ごびゅう
)
の
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
がある。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
むしろ彼らはそうした風趣をば無用の
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
と非し、ひたすら、物語本位、筋本位の安価低俗の構成を要求したのだろう。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
ここに何等の
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
的な感情が無ければ、彼が外科医としての希望を断念して了うことは、当然のことであった。
三稜鏡:(笠松博士の奇怪な外科手術)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
作家と作品との間に内容的には空白な
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
があって、その空白な夾雑物が思考し、作品をあやつり、あまつさえ作家自体、人間すらもあやつっているのだ。
デカダン文学論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
私の仕事と云えば、色々な
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
ばかりのもので、本当はこれとして澄んだものが一つもない。実際ここまでは来たけれど、ここから道が切れてしまった感じなのです。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
明るさが次第に、野に丘に海に加わって行く。何か起るに違いない。生活の
残渣
(
ざんさ
)
や
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
を掃出して呉れる何かが起るに違いないという
欣
(
よろこ
)
ばしい予感に、私の心は膨れていた。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
では、一体何が、本能の処理に、これほどたくさんの
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
を投げ込んで、近代人を惑わしているかと言うと、ここでも、資本主義の天才的狡猾さが、もう一度責められなければなりません。
踊る地平線:10 長靴の春
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
我々はそれに媒介せられながらその媒介を忘れて直接に表現せられたものを見ることができる。著者の文章は、なお時々
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
を感じさせるとはいえ、著しくこの理想に近づいて来たように思う。
『青丘雑記』を読む
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
といって、そこにはいささかも、醜い
斧鉞
(
ふえつ
)
の跡などが残っている訳ではありません。そういう意味ではなくて、これを天然の風景と見る時は、余りに整い過ぎ、
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
がなさ過ぎるからなのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それが
皺曲
(
しゅうきょく
)
や断層やまた地下熔岩の
迸出
(
へいしゅつ
)
によって生じた脈状あるいは塊状の
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
によって複雑な構造物を形成している。その構造の如何なる部分に如何なる移動が起ったかが第一義的の問題である。
地震雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
かるが故に神につきての観念は、人智の進歩に連れて次第に変化し、枝葉の点に
於
(
おい
)
ては、必ずしも一致していないのである。
加之
(
しかのみならず
)
バイブルの中には、人間的
誤謬
(
ごびゅう
)
の
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
が少くない。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
夾
漢検1級
部首:⼤
7画
雑
常用漢字
小5
部首:⾫
14画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“夾雑”で始まる語句
夾雑
夾雑音