大逆たいぎゃく)” の例文
遺骸のかたわらに、大逆たいぎゃくのために天罰を加うという捨札すてふだがあった。次郎は文化十一年うまれで、殺された時が四十九歳、抽斎よりわかきこと九年であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
燕作えんさくでなくても、ひとたびここに立って、一ちょう幻滅げんめつをはかなみ、本能寺変ほんのうじへんいらいの、天下の狂乱をながめる者は、だれか、惟任日向守これとうひゅうがのかみ大逆たいぎゃくをにくまずにいられようか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幸徳君らにことごとく真剣に大逆たいぎゃくる意志があったか、なかったか、僕は知らぬ。
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)