大味おおあじ)” の例文
大きいのはなんに用いても、大味おおあじ駄目だめなものだ。うなぎの大串おおぐしはまだしも、あなごの大串に至っては、絶対におもしろくない。
鱧・穴子・鰻の茶漬け (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
「君子はちょうしてもうせずでございますな、いったん釣りの細かいところの趣味を味わった者には、御隠居の前だが、網なんぞは大味おおあじで食べられません」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大柄な女は大きなメジまぐろをぶっころがしたようで大味おおあじだと冗談をいっていたのもそのはず、兼太郎は骨格はしっかりしてはいたが見だてのない小男なので
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「これならいくら採っても構わねえだよ、そううめえってわけにゃあいかねえが、まずくって食えねえってこともねえだ、そうさ、するめに似てんべえかな、大味おおあじだがするめっくれえには食えるだよ」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
たいについて申しましても、四、五百もんめのところがちょうど美味本位に当たるので、一貫目から一貫目以上になると、非常に味が大味おおあじになります。
日本料理の基礎観念 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
魚はタコマで折々海へ釣りに行ったり、また大西洋岸のものも口にした事がありますが皆大味おおあじで、日本近海の肴のような美味うまいものはありません。川魚は一度も口にした事がありませんでした。
亜米利加の思出 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「これならいくら採っても構わねえだよ、そううめえってわけにゃあいかねえが、まずくって食えねえってこともねえだ、そうさ、するめに似てんべえかな、大味おおあじだがするめっくれえには食えるだよ」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)