大分限だいぶげん)” の例文
近江屋治兵衛じへえは観音堂の屋根の見える限りでは、並ぶ者ないと言われる大分限だいぶげん、女房おとよとの間に生れた一人娘のお雛は
されば外見よそみには大分限だいぶげんごとくなれど、其實そのじつ清貧せいひんなることをそれがし觀察仕くわんさつつかまつりぬ。此人このひとこそ其身そのみをさまりてよくいへをさまれるにこそさふらはめ、かなら治績ちせきべくとぞんさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こりゃあ何かの間違えだ。いくら先様が大分限だいぶげんでもみすみす濡衣ぬれぎぬせられて泣寝入り——じゃあない、突出されだ、その突出されをされるわきゃあない、とこうあっしは思いましたから——。
「馬鹿だなア、まだ喰ひ氣に取つかれてやがる、——あれはお前駒込の大分限だいぶげんで、大地主の漆原うるしばら重三郎の召使だ」
まして平次の時代の江戸の大分限だいぶげん、わけても現金を扱ふ商賣の俵屋が、戸締りに手ぬかりのある筈はありません。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「驚いてはいけない。飯田町の上總屋、——神田から番町へかけても、並ぶ者がないと言はれた大分限だいぶげんの上總屋には、氣の毒なことに一文の金もなかつたのだ」
三千兩といふ金を持つてゐるのは、なか/\の大分限だいぶげんです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「遠州屋は大分限だいぶげんだが——店の者にしちや」