大丸だいまる)” の例文
向うに心斎橋筋の大丸だいまるがちらちらしてたのん覚えてますけど、そこを大丸の前まで行かんと、太左衛門橋筋南い曲った思うとこで
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
またその時予がさいむかって、今日福沢諭吉は大丸だいまるほどの身代しんだいに成りたれば、いつにても予が宅に来て数日逗留とうりゅうし、意をなぐさめ給うべしとなり。
例えば大丸だいまるの屋上からの眺めは、あまりいいものではないが、さて大阪は驚くべく黒く低い屋根の海である。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
眼をあげると、大丸だいまるデパアトの五階建の窓窓がきらきら華やかに灯っている。もう、この辺は、桜町である。甲府で一ばんにぎやかな通りで、土地の人は、甲府銀座と呼んでいる。
新樹の言葉 (新字新仮名) / 太宰治(著)
... 洋服も寸法を見計らって大丸だいまるへ注文してくれ……」「近頃は大丸でも洋服を仕立てるのかい」「なあに、先生、白木屋しろきやと間違えたんだあね」「寸法を見計ってくれたって無理じゃないか」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
みなさんのなかには、博物館はくぶつかんならべてあるものは金錢きんせんふことの出來できないといふことが、たゞ三越みつこし大丸だいまるなどのでぱーとめんと・すとあーとちがつてゐるところだとおもひとがあるかもれません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
で、最も多く出てくる街の基点に大丸だいまるという名詞がある。
旧聞日本橋:02 町の構成 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)