夢野ゆめの)” の例文
西北から東北のふところには、長田ながた夢野ゆめのの町屋根がなお奥深く見渡され、鵯越えは、この丘の真正面に、指すことができるのだった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もうなんでも野島のじまわたらずにはいられなくなりました。そこで夢野ゆめの牝鹿めじかめるのもきかずに、とうとう出かけて行きました。
夢占 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そしていつも淡路あわじほうへ行ってあそんでいることがおおいので、夢野ゆめの牝鹿めじかはさびしがって、淡路あわじ牝鹿めじかをうらんでいました。
夢占 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
むかし、摂津国せっつのくに刀我野とがのというところに、一ぴき牡鹿おじかんでいました。この牡鹿おじかには二ひきなかのいい牝鹿めじかがあって、一ぴき牝鹿めじか摂津国せっつのくに夢野ゆめのんでいました。
夢占 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)