喪家さうか)” の例文
兎角する内に夕方も近づいて來る、その間、私は飢ゑさらばふ喪家さうかの犬のやうに彷徨さまよひ歩いてゐた。畑を横ぎらうとして、ふと前方に會堂の尖塔を見た。私はその方に急いだ。
宗助そうすけ喪家さうかいぬごと室中しつちゆう退しりぞいた。のちれいおとはげしくひゞいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ふつと、仲々死ねるものではないやうな気もした。時計を手放した事が、運命的でもあるやうに、喪家さうかいぬの如き、しをしをとした昨日までの感情が、少しばかり、酒の酔ひをかりて活々してきた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)