吉宗公よしむねこう)” の例文
致す事なかれ無禮ぶれいは許すそばちかく參るべし我はかたじけなくも當將軍家吉宗公よしむねこう御落胤ごらくいんなり當山中に赤川大膳といふ器量きりやうすぐれの浪人の有るよしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
八畳の高麗縁こうらいぶちにつづいて、八畳のお板の間、壁いっぱいに平蒔絵ひらまきえをほどこした、お湯殿である。千代田のお城の奥ふかく、いま、八代吉宗公よしむねこうがお風呂を召していらっしゃる。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
此時江戸表には八代將軍吉宗公よしむねこう近習きんじゆめされ上意には奉行越前守は未だ病氣全快びやうきぜんくわいは致さぬか芝八山やつやまに居る天一坊は如何いかがせしやとほつと御溜息ためいき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
白綸子しろりんずのお寝まきのまま、広いお庭に南面したお居間へ、いま、ノッソリとお通りになったのは、八代吉宗公よしむねこう……寝起きのところで、むっと不機嫌なお顔をしてらっしゃる。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
神君の御彦おんひこに當らせ給へり紀州公こそしかるべからんとぞ申されける諸侯其道理もつとも然るべしと異口同音いくどうおん賛成さんせいなれば彌々いよ/\紀伊家より御相續さうぞく相極あひきはまる是に因て同年八月吉宗公よしむねこうと御改名かいめいあり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)