取所とりどころ)” の例文
ソコでその私のかんがえから割出わりだして、この徳川政府を見るとほとんど取所とりどころのない有様で、当時日本国中の輿論よろんすべて攘夷で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
独り天保に至りては元禄をしたるつもりにて元禄にも何にもならぬ者、即ち工夫をらさぬふりしてその実工夫を凝らしたる者、何の取所とりどころもなきことなり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
身はぬれ紙の取所とりどころなき 芳
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「べきは」とけて「なりけり」と結びたるがもっとも理窟的殺風景の処に有之候。一生嵐山の桜を見ようといふも変なくだらぬ趣向なり、この歌全く取所とりどころ無之候。なほ手当り次第可申上もうしあぐべく候也。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「べきは」とけて「なりけり」と結びたるが最も理屈的殺風景のところに有之候。一生嵐山の桜を見ようというも変なくだらぬ趣向なり、この歌全く取所とりどころ無之候。なお手当り次第可申上もうしあぐべく候なり。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)