及第きゅうだい)” の例文
君は今夜はみごとに及第きゅうだいだ。しかし、月の話はまだあるんだよ。今夜のよりは、もっとふしぎな実験が、まだ残っているんだよ。
智恵の一太郎 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「僕は落第しっこありませんが、照彦様より上にならないで及第きゅうだいしろってご注文ですから、手かげんがむずかしいんです」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
勝手にしやがれと思い思い、何だか気になるから開けてみたら、豈計あにはからんやだ。試験官の直筆だったが及第きゅうだいも及第。とりあえずお芽出度う存ずる。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「決心したって、死ぬわねえ。わたしなんか是非及第きゅうだいするつもりだったけれども、とうとう落第してしまったわ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
松葉まつばづえの少年しょうねんは、及第きゅうだいしたろうか。」と、おもったからです。どうしたのか、その姿すがたえませんでした。このとき、おもいがけない事件じけんこったのです。
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その試験に及第きゅうだいすれば一千ルピーの賞典を英領インド政府から貰えるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
昨晩やっと及第きゅうだいいたしましてこちらに赴任ふにんいたしました。
このだだっ子をだましすかして及第きゅうだいのできるように計らわなければならない。子供の仕事としては荷が勝っている。祐助さんが案じるのもここだ。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)