“半々(はんはん)” の例文
黒麺麭(パン)を厚く切りそれに牛酪(バタ)とジヤムとを塗つて、半々(はんはん)ぐらゐの珈琲(コーヒー)を一碗(わん)飲ませた。その狭い台所兼食堂の卓の近くに、カナリヤが一羽飼つてある。
日本媼 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
と、旅川周馬は、耳につくすり鐘(ばん)の音と、弦之丞のことを、半々(はんはん)に思い迷って棒立ちとなっている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余はまず天狗巌を眺(なが)めて、次に婆さんを眺めて、三度目には半々(はんはん)に両方を見比(みくら)べた。画家として余が頭のなかに存在する婆さんの顔は高砂(たかさご)の媼(ばば)と、蘆雪(ろせつ)のかいた山姥(やまうば)のみである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)