十色といろ)” の例文
十人十色といろかもしれないが、私は家族の飯ごしらえもして、洗濯から掃除もたいてい自分でやっている。少しもわずらわしいとは思わない。
平凡な女 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
十人十色といろの諺のあることは知っているらしいが、各自の趣味と見識とはその場合場合に臨んでは、忍んでこれを棄てべきものと思っているらしい。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
猫の社会に這入はいって見るとなかなか複雑なもので十人十色といろという人間界のことばはそのままここにも応用が出来るのである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
十人十色といろというて、いつの世にも、一人一人で考えが違い、早く開ける人もあり、おそくまで開けぬ人もあるから、他人の思惑を気遣うていては、いつまで待っても、改善の時期は来ない。
改善は頭から (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
ジャーマントース 春 第七十五 十日に十色といろ
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
十人よれば、十人十色といろにちがっていた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この世をよしと言ひあしと観る十人十色といろの考その人々によりて異り行くも、一つにはその人々の健康によることなり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しかもその洒落しゃれた家がほとんど一軒ごとにおもむきことにして、十軒十色といろとも云うべき風に変化しているには驚いた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
タピオカとセーゴ 春 第七十五 十日に十色といろ
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ロールオーツ 春 第七十五 十日に十色といろ
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第七十五 十日に十色といろ
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)