勝目かちめ)” の例文
石見守いわみのかみはらでは、吹針ふきばり試合しあいではしょせんあの老女ろうじょ勝目かちめはないと考えていたので、この出来事できごとはもっけのさいわいと思った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お浜の頭の中でまんじとなりともえとなって入り乱れておりますが、ここでもやはり勝目かちめは竜之助にあって、憎い憎いと思いつつも、その憎さは勝ち誇った男らしい憎さで
「ゆめ、さような僭上せんじょうではございません。ただこの御戦みいくさを、いかにせば、勝目かちめとしうるか、それのみにござりますれど」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝目かちめがついたときは、大胆に、勝目を取っておくのが勝負というものでござろう。——必定ひつじょう、秀吉はこの大敗を聞いて、怒りをもよおし、手勢をすぐり、軽装のまま、駈けつけて来るにちがいない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことに、じぶんは下、きゃつは上、足場あしばにおいて勝目かちめがない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)