利休形りきゅうがた)” の例文
房の切れた、男物らしいのを細く巻いたが、左の袖口を、ト乳の上へしょんぼりとき込んだたもとの下に、利休形りきゅうがた煙草入たばこいれの、裏の緋塩瀬ひしおぜばかりが色めく、がそれもせた。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
怖々こわ/″\あがって縁側伝いに参りまして、居間へ通って見ますと、一間いっけんは床の間、一方かた/\地袋じぶくろで其の下に煎茶せんちゃの器械が乗って、桐の胴丸どうまる小判形こばんがたの火鉢に利休形りきゅうがた鉄瓶てつびんが掛って
その時まだ「出」の姿で居たといえば、水車の裾模様を二枚重さねて、帯は吾妻錦、襦袢じゅばん紋壁もんかべにしおぜの白半襟えり、芸子髷に金の竹輪を掛け、花笄はなこうがいに平打の銀簪ぎんかん、櫛は白鼈甲しろ利休形りきゅうがた
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)