“刃紋(はもん)” の例文
ただ銘刀の刃紋(はもん)のうような朧夜(ろうや)の雲が空いちめんに蟠(わだかま)っていて、その雲の明るみから見ても、どこかに月のあるような空ですが、月のありかは分らない晩です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なるほど。そうして刃紋(はもん)の具合はどうじゃな」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あやしむべし、ジッと眸(ひとみ)をこらしている刀の刃紋(はもん)へ、ありありと、人間の顔らしいものが映った。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
刃紋(はもん)は朧夜(ろうや)の雲に似る五(ぐ)の目(め)乱(みだ)れ、星(ほし)の青さを吸って散らすかとばかりかがやかしい、鵜首作(うくびづく)りの鋩子(きっさき)に特徴のある太刀の相(すがた)は——まず相州系(そうしゅうけい)、新藤(しんとう)五国光(くにみつ)とみてまちがいはない。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)