処刑しょけい)” の例文
旧字:處刑
あとから又平河町の家へ舞い戻って、例の「村井長庵」なる事件を起して処刑しょけいされるに到ったのは、数年後のことである。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
見物はたいてい火のかかるのを、今か今かと待っていたのである。役人はまた処刑しょけいの手間どるのに、すっかり退屈し切っていたから、話をする勇気も出なかったのである。
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
どうしても何かの精霊どもの話し声にちがいない。最近に王の前で処刑しょけいされたバビロンからの俘囚ふしゅう共の死霊の声だろうという者もあったが、それが本当でないことは誰にもわかる。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
火を用い、槍を用い、鉄砲を用い、五百余人の男女を辻々で処刑しょけいしたので、世人は信長のきびしさに戦慄せんりつした。そして誰も皆、信長の一面にある残虐性ざんぎゃくせいというものに少なからず眼をおおうた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いえわたくし両親りょうしんは、身体上しんたいじょう処刑しょけい非常ひじょうきらっていたのです。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)