じゅん)” の例文
五十ぐらいの平田という老朽ろうきゅうと若い背広のせきというじゅん教員とが廊下の柱の所に立って、久しく何事をか語っていた。二人は時々こっちを見た。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
○くだものにじゅんずべきもの 畑に作るものの内で、西瓜すいか真桑瓜まくわうりとは他の畑物とは違うて、かえってくだものの方に入れてもよいものであろう。
くだもの (新字新仮名) / 正岡子規(著)
その後連歌集の編纂を発心し、常縁の世を去った翌明応四年に『新撰菟玖波集つくばしゅう』を撰んで勅撰にじゅんぜられた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
そういうところゆえ、その後或人の周旋で某省のじゅん判任御用係となッた時は天へも昇る心地がされて、ホッと一息きは吐いたが、始て出勤した時はおつな感じがした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
入団二箇月を経てより、じゅん団員として毎月化粧料三十円ならびに交通費を支給する。准団員の最長期間は二箇年限とし、以後は正団員として全団員と同等の待遇を与える。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
勅撰集にじゅんじて扱うのが至当だと思う。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)