其児そのこ)” の例文
旧字:其兒
附いてる里親の愛に溺れ易いのを制するめに看護婦を迎へたりして其児そのこ家内中かないぢゆうが大騒ぎをして居る中へ、四歳よつになる三男のりんが又突然発𤍠した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ある夏此児このこが両親と避暑に余処よそへ行つて居升たが、近処に美事な大きい湖水があるので、父は小舟を借りては其児そのこの母と其児を載せ、うららかなる日や
鼻で鱒を釣つた話(実事) (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
人の親の、其児そのこに教ふるに愛を以てせずしてみだりに恭謙、貞淑、温柔をのみこれこととするは何ぞや。既にいふ、愛は「無我」なりと。我なきものたれか人倫を乱らむや。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
抱寝だきねして、其児そのこ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
現に其児そのこをよく知つて居て、今でも生きて居る人ですから、其おはなしをしておあげ申ませう。
鼻で鱒を釣つた話(実事) (新字旧仮名) / 若松賤子(著)