光芒くわうばう)” の例文
燦然さんぜんと闇をつんざくサーチライトの光芒くわうばうに射られたやうに、眼がくら/\となつたのだつた。お信さんは、まだ私の中に異性を認めて居ないやうだつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
すぐ前にキネマ館が白い壁をそばだててゐるので、夜前の雨にぬぐはれ切つた空が、狭く細い一部分しか見えない。しかし重役はそこから輝き落ちる青藍の光芒くわうばうをぢつと見やつて眼をしばたゝいた。
手品師 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
無限むげんける光芒くわうばうのゆくてにおもひするなく
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
光芒くわうばうこれが爲に更にまさりぬ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)