兆殿司ちょうでんす)” の例文
能楽という演技そのものが、その発祥を格式をたっとぶ社寺のうちに持ち、謡曲のうしろには五山の碩学せきがくが厳として控えて居り、啓書記、兆殿司ちょうでんす、斗南
美の日本的源泉 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
青丹あおによし、奈良の都に遊んだこともなく、聖徳太子を知らず、法然ほうねん親鸞しんらんとを知らず、はたまた雪舟も、周文も、兆殿司ちょうでんすをも知らなかった十九世紀の英吉利イギリス生れの偉人は、僅かに柳川一蝶斎の手品と
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
兆殿司ちょうでんすさ」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
人物は兆殿司ちょうでんすの羅漢の粉本をやるのであるが、他の画家の羅漢は余り彫刻にならないが兆殿司のはそのまま薄肉になるのは、恐らく余程立体的なのであろう。私もそれを盛んに稽古した。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
コイロのやしろ鎌足公かまたりこうの邸跡、瑞甕山根本寺ずいおうざんこんぽんじでは兆殿司ちょうでんすの仏画、雪村せっそんの達磨というのを見せてもらい、芭蕉翁の鹿島日記にても心をかれ、鹿島の町、末社の数々、二の鳥居、桜門、御仮殿おかりどの——かくて
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)