傳授でんじゆ)” の例文
新字:伝授
第一、兵書の講義や軍學の傳授でんじゆなんてものは、あんな間拔なものぢやありませんよ。あつしは何んにも知らないが、あんな間拔けな理窟なら横町の隱居だつて知つて居まさア。
盡す樣子これ天晴あつぱれの若者なり此者をもらひ受て我養子となし無刀流の劔法を傳授でんじゆせばとらつばさそゆるが如く古今無双の名人と成べし我が流儀りうぎを後世に殘すは是に増たる事あらじ幸ひ兄は親の家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お琴を縛るのに、寢卷の上へあはせを羽織らしたのもをかしい。かばひ過ぎたんだ。それから繩の結び目は、植木屋や仕事師や、船乘や、岡つ引ぢやない、あれは小道具の方から來た武道の傳授でんじゆ物だ」
傳授でんじゆしたる甲斐かひありと悦ぶ事限りなく爰に於て丸龜まるがめの道場は養子半四郎にまかせんと五左衞門は我名の一字をゆづつて後藤半四郎秀國ひでくに名乘なのら門弟中もんていぢうへも右のおもむきを吹聽ふいちやうなし五左衞門は是よりなほ流名りうめい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)