傍人ばうじん)” の例文
二君等は勿論当て字である。もつともかう云ふ発見は、僕自身に興味がある程、傍人ばうじんには面白くもなんともあるまい。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
傍人ばうじん慌てゝ彼をとゞめて曰く、君よ口をつつしめ、かの破れたる帽子の下に宇宙は包まれてありと。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ユウゴオ咈吁ふつくとして答ふらく「天才なり」と。バロツシユその答にやいきどほりけん傍人ばうじんささやいて云ひけるは、「このユウゴオ氏も聞きしにまさる狂人なり」と。仏蘭西フランス台閣だいかくまた這般しやはんの俗漢なきにあらず。