偉物えらぶつ)” の例文
陳蕃ちんばんのやうに天下の掃除をするほどの偉物えらぶつならば亦宜しいが、天下の事は偖置き、ヤツと腰辨位で終るのが、我々凡人の紋切形なのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
もしも私が日蓮にちれんほどの偉物えらぶつであったなら、きっと私は、草木を本尊ほんぞんとする宗教を樹立じゅりつしてみせることができると思っている。私は今草木くさき無駄むだらすことをようしなくなった。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
御先々代八郎次さまは至っての偉物えらぶつでな、病気平癒の祈願を籠めてさしあげたは、かく言う沼田正守がまだ壮年のみぎりのことじゃ、それ以来当豊明権現を大変の御信仰で、あの一札にもある通り
鉄心道人というのは、なかなかの偉物えらぶつらしいが、女を
けれど呉には陸遜りくそんという偉物えらぶつが軍をにぎっています。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ははあ、なるほど、一茶はなかなか偉物えらぶつですね」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)