信尹のぶただ)” の例文
急に思い立ったように、近衛信尹のぶただやかたへ帰ってしまったし、行司の沢庵も眠くなったとみえ、無遠慮な欠伸あくびしてしまう。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
媾和になってから家康は、幸村を勧誘せんとし、幸村の叔父隠岐守信尹のぶただを使として「信州にて三万石をやるから」と言って、味方になることを、勧めさせた。
真田幸村 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
前久は、龍山と号し、近衛信尹のぶただの父にあたる。そして太政だじょう大臣の現職にある。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顔じゅうを笑靨えくぼにして、近衛信尹のぶただはその薄あばたを、吉野太夫の顔に向け
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三藐院さんみゃくいん近衛信尹のぶただ、烏丸大納言光広、本阿弥光悦ほんあみこうえつ、松花堂昭乗しょうじょう等であった。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのお連れである近衛信尹のぶただというのは、光広よりは年も十ほどは上であろう。どこか重々しい風丰ふうぼうがあり、眉もひいでているが、豊かに浅黒いその頬に薄あばたのあるのが世間並にいえばきずである。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)