佩用はいよう)” の例文
太刀たちは、加納、今村両先生の調べで割合正確なものになりましたけれども、それも楠公佩用はいようの太刀が分ったのではありませんでした。
マレンゴーに佩用はいようした剣、すべてそれらの最後の皇帝シーザーたる容姿こそ、万人の想像に上るところのものであって、ある人々からは歓呼せられ
毎年この日に曙の里小野塚鉄斎の道場に秋の大試合が催されて、高点者に乾雲丸、次点の者に坤竜丸を、納めの式のあいだだけ佩用はいようを許す吉例きちれいになっている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
処が先生は、日本皇帝からいただいた勲章は、日本の皇室に関する時にのみ佩用はいようすべきものであるとの見地から、常時はそれを銀行の保護箱内に仕舞い置かれた。
処が先生は、日本皇帝からいただいた勲章は、日本の皇室に関する時にのみ佩用はいようすべきものであるとの見地から、常時はそれを銀行の保護箱内に仕舞い置かれた。
呪物じゅぶつとしてこれを若い婦女たちに佩用はいようせしめる習わしのみがあったとすれば、いよいよこの物の輸送の方向が明らかになるのだが、はたして考古学の知識によって支持せられるかどうか。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
外様とざま又者の類までが、もしこの作を手に入れたときは、徳川への恐れと遠慮のために、その銘をすりつぶして佩用はいようするといったような当時のご時勢でしたから、又者までもがそうであるのに
私も佩用はいようしたままで家へ帰った。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平素身近に帯ぶることが最も臟品ぞうひんを隠匿するに聡明そうめいな方法と思いついたものでしたから、かように作りを変えて佩用はいようしていたのでしたが、それとて右門の慧眼けいがんのために、はしなくも看破されて
そして外出する時にはいつも、レジオン・ドンヌール勲章のオフィシエの略綬りゃくじゅをそれにつけていた。検察官は彼に「該勲章の不法佩用はいよう」について検事局が起訴するかも知れないと予告してやった。