体面たいめん)” の例文
旧字:體面
銀座の大通おほどうりに空家あきやを見るは、帝都ていと体面たいめんに関すと被説候人有之候とかれそろひとこれありそろへども、これは今更いまさらの事にそろはず、東京とうけふひらけて銀座の大通おほどほりのごと
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
「まあ、おさむらいには、士族しぞくとしての体面たいめん(せけんにたいするていさい)があるからな。それを、あのようにどうどうと……いったい、どこのどもだろう。」
わたくしは前に貞固が要職の体面たいめんをいたわるがために窮乏して、古褌ふるふんどしを着けて年を迎えたことをしるした。この窮乏は東堂といえどもこれを免るることを得なかったらしい。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)