仙禽せんきん)” の例文
風に揺ぐ玉樹のみどりや、野に拡がる琪草きそうの香や、姿を見ぬ仙禽せんきんの声や、然様いう種々のものの中を、吾が身が経巡り、吾が魂が滾転こんてんし行いて
穂高岳 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
白金プラチナの羽の散るさまに、ちらちらと映ると、釵は滝壺に真蒼まっさおな水に沈んでく。……あわれ、のろわれたる仙禽せんきんよ。おんみは熱帯の鬱林うつりんに放たれずして、山地の碧潭へきたんたくされたのである。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
評の仕方の如何にも韵致いんちがあって、仙禽せんきんおのずから幽鳴を為せる趣があるのは、保胤其人を見るようで面白いと云いたい。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
白金プラチナはねの散るさまに、ちら/\と映ると、かんざし滝壺たきつぼ真蒼まっさおな水に沈んで行く。……あはれ、呪はれたる仙禽せんきんよ。おんみは熱帯の鬱林うつりんに放たれずして、山地さんち碧潭へきたんたくされたのである。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)