他出そとで)” の例文
れもまた少しく恐れて、くだんの鯀化、黒面などを呼びよせ、洞ちかく守護さしつつ、自身おのれ佻々かるがるしく他出そとでしたまはざりしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「私ども始めはおめしたのです。しかし閣下は他出そとでされる約束があって、その日の三時にはごらんになれないのです。それでいてというお話ですし、一方例の用意もありまして大丈夫だと思ったのです」
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
オー聴水なりしか、よくこそ来りつれ。まことなんじがいふ如く、この大雪にて他出そとでもならねば、独り洞に眠りゐたるに、食物かて漸くむなしくなりて、やや空腹ものほしう覚ゆるぞ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
大王これをきこし召して、いささか心に恐れ給へば、佻々かるがるしくは他出そとでもしたまはず。さるをいま和主が、一ぜんもと射殺いころしたれば、わがためにうれいを去りしのみか、取不直とりもなおさず大王が、眼上めのうえこぶを払ひしに等し。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)