今日日きょうび)” の例文
黒ちりめん三つ紋の羽織、紋は今日日きょうびとおなじ七位だった。そのあとで、女でも一寸一卜いっすんいちぶ位まで大きくなって、またあともどりしたのだ。
今日日きょうびはパアマネントオーの一つ位掛けんことには、良家えゝとこの人と交際も出来でけまへんさかいナ。それに、何でんがナ。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
『一休』のほうは、今日日きょうびの駆け出しの講釈師にゃ、とてもあれだけには笑わせられん。笑いがチャンと壺に入っておる。私しゃ考えたのう、そのときに。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
出るちゅう法はないぞ、それがたとえどんな人であったにしても、それが今日日きょうびこちとらの義務というもんだ
今日日きょうびはどうやら片息吐いているから、この分でいけば日ならずして店の調子も立ち直ろうとの取り沙汰。
ところが今日日きょうびの連中ときては、ソレお醤油、ソレお味噌、ソレお砂糖、ソレお酒、などというもので料理する。さて出来上がった食い物はというに、味はともかく滋養分がない。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今日日きょうびは、花柳界もどきの、そんなふうな磨き道具を素人でも持つが、町家ちょうかの女房ではまずない図だった。
「圓朝さん、お前生涯にいっぺんだけそういうりがしてみたかったんだろう、生れてから今日日きょうびまでお前の身の周りは何もかもズーッと真っ黒ずくめだったんだものなあ」
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
なんのことはない、裏京橋の一帯が今日日きょうびはお茶漬お艶の話で持切りの形であった。
「それもこれも、勘兵衛めの過去の罪悪を知っておる者、今日日きょうびでは、あなた様と私とただ二人だけというところから、難癖をつけて、あなた様を討ち取ろうとなされたのでございましょう」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)